3.ビアント

 パリには正月がありません。当たり前?そうです。門松のかわりに、モミの木の飾り付けやサンタクロースという風景は、クリスマスのままです。1月1日は主な店はほとんど閉店していますが、それでも今年はルーブル近くで雑煮を出す店を見つけておおいに感激しました。大枚7ユーロ。店を出て、ジャンヌ・ダルク像に向かい、ボナネー!

《シャンゼリゼの新年風景 サンタクロースもいます(拡大できます)

4.オデュルデュイ

 フランシーヌの場合はあまりにもおばかさん。パリの朝に燃えた命ひとつ♪♪…
フランシーヌ・ルコントのことを覚えていますか?1969年の反戦活動家の死をテーマにした和製反戦歌です。コノタビ・ノ・パリでは、まさにこのシーンを思い浮かべるような出来事に遭遇しました。食材にはふさわしくないかもしれませんが敢えて、ヌーベルキュイジーヌのメインデッシュといたします。

 それは、1月1日早朝6時半頃、夜明け前というものの、まだ夜の雰囲気が充分なシャンゼリゼの路上でのことです。辺り一面、何と、『豚の惑星!』状態、新年のカウントダウンの大騒ぎ後のゴミの山、ゴミの丘、ゴミの川、ゴミの海、そして路上には、こなごなに割れたガラス瓶が散乱、日頃、路上から上、目線から上の美しさと、路上の汚さとの格差には、ある歴史的伝統的理由があることまでは、理解納得していたのですが、その理解の範囲をはるかに逸脱した光景が眼前にあったのです。

1月1日早朝シャンゼリゼに居た理由は?
パリ脱出し、モンサンミッシェルへ遠出したためでした。
絵ハガキでイメージを! シルブプレ
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 ゴミの散乱した路上に、明らかに凍死者と思われる遺体が横たわっていました。そばの車道ではパリ市の清掃車と掃除人がもくもくと車道の掃除をしていました。遺体の存在に当然気がついているであろう距離なのに…凍死者はありふれた風景なのでしょうか?酔っぱらいの嬌声がまだときどき響き渡る夜明け前のシャンゼリゼの光景は花のパリの新年の朝ゆえに、あまりにも身にしみて哀しいものでした。